少し女

ローマのパン屋さん


舞台「少し女」


 実に久々に演劇をみました。舞台と呼ぶべきでしょうか。奥さんのパート先であるアンデルセンというパン屋さんでアルバイトをしている女性が出演するとう話を聞き興味をもったので、2枚購入して見に行きました。場所は横浜マリンタワーの近くにある劇場。教室くらいの大きさですから、200人くらい人がいたでしょうか。私は最前列で見ました。演劇は、わたしの想像を超えた面白さ。


 ストーリーは筒井康隆にありそうなものでした。同じものを映画で見たらつまらないものになるでしょう。しかし、役者という人が観客の目の前で演じる、足音や呼吸、額に光る汗まで見える。それは、一生忘れれられない経験になるような気がします。


 ちなみに私が見たのは「少し女」という舞台でした。
http://www.sizukumachi.com/rireki/200609sukosi-onna/index.html
衣装もセットも音楽も、簡素なものでした。まるで無印良品の布地製品のような淡い世界。見ている人が自然と「想像」を働かせるようになっていました。TVが漫画ならば、こういう舞台は小説にたとえられるかもしれません。


 TVや映画ならば簡単にできそうな「マルチアングル」も、舞台という制約で実現するためには舞台の全面で歩いたり、後ろの方で歩いたり。見るほうが想像しなければなりません。どちかといえば積極的に頭を使っているため、登場人物が口にする何気ない言葉も記憶の片隅に残るようです。
「どうして、皆何かになろうとするのだろう。」
「感情がこの先どうなるのか、予測することはできない。」
言い回しは違っているかもしれませんが、内容は心に響いてきます。


 俳優に憧れたことなど一度もない私は別世界での経験でしたが、またいつか舞台を見に行く機会が持てればと思います。