シュメール文明のエリアだけも未だ見終わらない

vietatofumare2007-01-28


 9:17発の急行に乗ろうと思ったのだが、日曜日は時刻表がちがっているようで9:35発まで駅でぶらぶらして待っていた。今日もブリティッシュミュージアムとナショナル・ギャラリーへ行く。なぜ、両方ともナショナルとならないのだろうかとどうでも言い疑問をもつ。例によって、ノーザンラインは運休。これだと乗り換える必要がないのだが、まぁ仕方がない。どっちにしろ15分もあればウォータールー駅から大英博物館へ付けるのだから。

 今日はギリシャの一部とアナトリア、シュメール、ヒッタイトなどの文明の小物をじっくりと見る。楔形文字タブレットと円筒印章をじっくりと眺める。3000年から5000年前の人間が普通に使っていた道具や記録類なのだが、まったく呆れる思いである。本当に高度な文明だよなぁ、日本は縄文時代だというのだから泣けてくる。だれが円筒印章を考えたのか、売れっ子の印章屋というのもいたのだろう、おれならどんなデザインにするのか、などなど考えながら見ると時間が経つのが早い。あっという間に昼である。パンを買ってテーブルで食べていたら隣の家族の会話がイタリア語だったので「今、何時ですか?」とイタリア語で聞いてみた(笑)。通じたのだが、回答が12時のイタリア語MIDIが聞き取れなくて、ちょっと恥をかいた(笑)。

 美術館などに足を運ぶと、最初何が面白いのか分からんものだ。火事場のやじ馬と同じで、珍しいものしか興味を持たなくなり、そのうちつまんなくなる。そういう人の共通点は、展示品が自分たちを面白がらせてくれるだろう、感動させてくれるだろうと思ってやってくる。映画やTVと違うということに気付かないと博物館の面白さは分からない。

 私が面白いと思うようになったのは、「もし、自分でこれを作れといわれたらどうやるだろうか? その時代の知識だけでもいいし、今もっている知識を使ってもいい、なんでいいからお前が作れ」と言われたときの対応を考えながら見ることを覚えたからである。道具や装飾を作る職人として考えるだけでなく、「そもそも、王様の偉さを表現するには何をしたらいいのか?」という企画担当として展示品全体を眺める。レリーフが沢山ならんでいるとして、そういう風に飾ろう、こういう神殿を造ろうという企画担当として、自分ならどうするかを考えながら見ると面白いのだ。私は大英博物館が好きだが、それはそこで「考える」ことが好きなのだ。こういう見方は人によってそれぞれ違うだろうが、楽しませてもらおうと思って見に行っても、「見に行った」という記録を取ることが精いっぱいであろうと思う。それではつまらんでしょう、多分。