いっそ隅田川沿いにこんなものを作ったらどうか?

vietatofumare2007-02-04


 今日はじっくり対岸から国会議事堂をみた。12時のビックベンも聞いた。川の両側に遊歩道があり並木になっていたりして、まるで隅田川である。この橋の色も言問橋と同じ。台東区川にこんな建物をたてたら人が来るんじゃないのか?もっとも300百年後の話であろう(何事にも歴史が必要だ)。日中ぼんやりと河辺でビックベンの雄姿を見ていたら、なんだか浅草あたりにいるような気分になる。ずっとそのあたりに住んでいた私が言うのだからかなり確からしいはずである。

 歴史ある場所や神社は現在の東京の下町に存在している。ただし、関東大震災で焼け、東京大空襲で完膚無きまでにたたきのめされたところなんだから、昔からあるものが残っているわけはない。古いものを大切にしないという傾向もあるにはあるが、それい以前に街の人からみれば「なくなっちゃったんだから仕方ねぇだろう」という感じである。それに、ロンドンといえでも実はそんなに古いものが残っているというわけでもないのだ。

 大英博物館からナショナルギャラリーへと歩くときに通るであろう「チャーリング・クロス」通りはとても威圧的なレンガのファサードがいかめしい古いビルが残っている。道も狭いし、どちらかと言えばごちゃごちゃしている。道だけでなく、歩く人もごちゃごちゃしているし、店もごちゃごちゃしている。典型的な観光客相手の店たちである。その道の途中で道を曲がるとコベントガーデンという広場にでる。「マイ・フェアレディー」を好きな方ならご存知の場所であろう。広場の中心は駅ビルにも入っていそうな普通の店なのが興ざめだが、ちゃんとした市場もあったりしてそれなりにワクワクする。しかし、それ以外の場所はどうだろうか? 大通りに面したデカいビル群は確かに古そうだがそうでもない通りにはごく普通のビルばかり、歩いていても面白いものではない。時たま工事中のビルの現場を見るが、面白いことに壊す前に立っていたであろうビルの古いファサードだけは残してあて、その内部に普通のビルをたてていた。少しは景観に気を使っている。いや、法律があるのかもしれない。

 古い町並みを歩きたいならば、ローマにかなわない。背の高い窓や格式があるビルのファサード、そこいらにある教会群。なんでだろうかと不思議になる。古代ローマより、ルネッサンス期よりもはるかに後になって世界を制覇したロンドンなのに。ローマに比べるとどの街もなんだか「格」がちがっているようで、そんなことを心底感じてしまった。

 ということは、ロンドンに古い町を期待していはいけないのだ。まぁ、普通そんなものを期待してくるひとはいないのだろうけど。それにしても、もうちょっと町並みを「演出」したらいいのにな。大英博物館とナショナルギャラリーだけでも訪れる価値は十分あるし、それ以外にもいろんなところがあるから暇はしない街ではある。でも、やっぱり、ローマのほうが・・・。