独占インタビューを繰り返し放送するSKYチャンネル

vietatofumare2007-02-05


 差別問題もからんだためにすっかり有名になってしまったビック・ブラザーの優勝者シルファさんの独占インタビューが金曜日、日曜日と放送されていた。5分くらいあったかな。落ち着いた受け答えには「教養」がにじみ出てしまっていて、この人を犬呼ばわりしたジュードさんとその仲間の二人はすっかり悪役になってしまっている。TVってのは怖いものだ。このシルファさんはインド映画の女優さんなのだが、差別を受けそれをうまく?かわしたことをかわれたのか、エリザベス女王さんやブレアさんなんかとの面会も予定されているようだ。なんだかジュードさんが雑巾のような感じなって、偉く面白いのもホントである。イギリスのTVも善玉・悪玉をそろえたいらしい。

もっとスゴイのは、悪役の仲間とみなされたジョーさんの独占インタビューまで放送して、ジュードさんに同調した罰を追求されているで、哀れさをさらに演出している。スゴイテレビ局である。ただし、イギリスの視聴者はアメリカの人程談純ではないので、この問題をちょっとした楽しみに感じているのかもしれない。であるとすれば、イギリスは怖いですね。

 これと同じように、ジャクソン5からさんかしていた「ジャメイ・ジャクソン」さんの位置も面白い。ジュードさんからぼろくそにいわれているシルファさんを落ち着かせ、「あなたは強さを見につけなければならない」と諭すことをしていたから、ビック・ブラザーでは英雄の一人であった。今日、ニュースを見ていたらジャメイさんが小学校で差別についての講演を行っているところが放送されていた。ちょっとしたニュースであったのだが、見入ってしまった。というのは、いくらセレブとは言え、小学校に長っげー「リムジン」で乗りつけ、数人のボディーガードを従えての登場だったから。これは、冗談か? この感覚のおかしさが、セレブのスゴイ人たちなのである。ようするに、あのビック・ブラザーに参加した人はどこかしら庶民の感覚とは違っている人たちなんだから、差別問題で盛り上がったときに「面白がる」ということも必要だったのではないかと思ったりする。マスコミは一斉に「道徳」の反応をしてしまって、選択の自由がない気もする。

 インタビューのなかでシルファさんも語っていたが「差別発言とされるものはジェラシーから来たもの。だからあの人は人種差別主義者ではない」というのは正解であろう。だって、ジュードさんも比較されたら腹だたしいやろう。その辺もくみ取って上げるのも大人の反応だろうと思うのだが、さすがにイギリスでもそこまで世論は「大人」ではないようである。

 ちなみにビック・ブラザーという番組は、数人をちょっとした家に住んでもらってその中の様子を視聴者がカメラで隅々まで見るという「一種の動物観察番組」である。そして、気にくわないヤツを視聴者の投票で追い出していく。最後に残った人が1ミリオンポンド(というから、2億円?)くらいの賞金を手にするという壮絶な番組。じつは、イギリスではCCTVといって至る所に監視カメラがあって、大抵の人の行動は記録されている。先日地下鉄テロの犯人の採番で提出されてた映像は「本当にスゴイところまで撮っているなぁ」という感じであった。地下鉄の駅で監視されていることは想像できるが、2階建てのバスの中まで撮影されているとは知らなかった。政府(ビック・ブラザーですね)の監視を生活のなかで皆感じているからこの番組が受けているのだろう。日本の「Nシステム」なんてかわいいものである。