ホテル暮らしも2ヶ月に

vietatofumare2007-02-22


 結構長いこと同じ部屋に滞在している。中流のホテル。日本のビジネスホテルよりは居心地は良い。ユニットバスよりもはるかに大きいバスタブもある。部屋もシングルにしては余裕がある。テレビもある。暖房は十分。オイルヒーターなので洗濯物を乾かすこともできる。通り沿いとは反対の窓なのでわりと静かである。もちろん景色は見栄えしないし、厨房の上なので換気扇の音が気にはなる。2,3日の滞在なら不愉快な部屋なのだが、だんだんそういうところは気にならなくなる。正直ホテルの中では悪い部屋に当たるところであろう。文句を言えば交換してくれそうなのだが、もう面倒なのでこのままほったらかしにしておく。

 普段は帰ってきてTVをみて寝るだけ。朝シャワーを浴びてでかけるまでの少しの間だけ部屋にいる。眠いときはどんな環境でも寝ることができる。物音がうるさいときはiPodを聞きながら寝れば良い。たいてい1曲くらいしか聞かないで寝てしまう。週末の土曜日はロンドン行脚と決めている。したがって、部屋にいるのは日曜日だけである。調子が良いときは日曜日も出かけていたのだが、仕事の準備やら面倒くさいなぁとおもったときは部屋で勉強していることになる。勉強といっても本を読むかTVを見るかである。一人暮らしの人と同じようなもの。外食は高いから家で簡単な食事を作りたいがそれができないというところが違うだけだろう。

 完全なパターン化された生活を続けていると、時間がたつのが早い。TV番組を見ていても、この番組みたばっかりだよなぁ、と思ってしまうが1週間経っている。そういう感じである。ただし、決して満足度が高い生活がつづいているのではない。単に過ぎているだけだ。面白くもおかしくもない。ただし、不満はない。そういう状態である。ある意味、つまらん人生のような状態になっている。

 なぜ、そう感じるのか。その答えは食事にあると考える。つまんない日々でも週末のご飯がおいしいなぁと思えればそれで人生幸せだったりすると思う。拡大解釈しすぎかもしれないが、なにか気にいった食事をとる工夫をすれば楽しく生きていけるのかもしれない。ただし、おいしい食事というのも高級レストランなどでの一流シェフが作ったものである必要はない。自分で作ったものでもいい。就職した直後の楽しみは週末につくったカレーであった。タマネギを沢山いれた鍋が煮立ったあとカレー粉を入れるために鍋のフタを開ける。その瞬間の香りが好きであった。そんなつまんないものでもよい。もっと言えば、何か自分の手で操作できることをもっていることが大切なのだろう。ホテル暮らしにはそれがない。