金がもったいないので自分で切る

vietatofumare2007-02-25


 そろそろ床屋で髪の毛を切りたい。近所の美容院は軒並み高い。高いなんてものではない。ちょっとした美容院を覗いてみたがカットで30ポンドぐらいする。論外。ロンドンへ2回行けるではないか。小奇麗な「床屋」という感じの店を見つけたがそでも15ポンド。ロンドン1回分。最安の店(日本でいうスーパーカットとかQBハウスとか)もフライアリーというショッピングセンターにあった。そこで10ポンド。2400円である。高い。高い。
 私の弟もアメリカに留学しており、床屋の話を聞いたことがある。かれは金がないので自分で切っていると言っていた。だから髪形の左側がいつもおかしいらしい。英語学校でその話をしたら「だからおまえは左側がおかしいのか!」と笑われたということだ。私の好きな茂木健一郎という認識論学者も鳥の巣のような髪形である。きっかけは忘れたが、かれも大学時代に自分で切ったことがあり、それ以後床屋に行っていないということだ。自分で髪の毛を切ることはそんなにおかしな事ではないようだ。

 だったらオレもそうすればいいではないか。気分が晴れた。はさみを探したのだが、手元に無かったので文具屋で買うことにしたが、仕事がある日は帰りが6時過ぎになるので店がやっていない。しかたないので週末までまち、2.5ポンド(500円)で購入した。1000円カットの半分の投資であるが、2000円カットに比べれば安い。しかし、それでも一週間分の夕飯(1コ20ペンスのスコーンなのだが)に相当する投資である。高いと感じだ。

 もう30年くらい床屋で髪の毛を切ってもらっているのを「観察」している。頭の中に手順が入っているといっていい。大抵の人はそうだろうと思う。髪の毛を梳かして、指の間に髪の毛を挟んで先端部分だけをそろえて切ればいい。耳の辺りは櫛で浮かせて先端をカット。微調整ははさみの先端かバリカンでやればいい。

 洗面台にスーパーのビニール袋を広げる。鏡に向かってまず前側の天頂のあたりを切る。結構できる。問題は左ではさみを使えないことだ。左は見えないので勘にたよる。耳の上も頭を傾けて重力で髪を頭から浮かせることで切れる。結構具合がよい。バリカンはないのだが、ブラウンの電動かみそりににたような機能がありそれでなんとかする。じゃーん、全然問題ない。どころか、結構いけている。鏡を見る限りさっぱりしている。なんだ、自分でやっても「何の問題もない」じゃない。もう金輪際床屋へは行かん。文庫本や新書を買う金ができたようなものだ。

 と思っていたが最大の問題に気付く。後ろ側である。全く分からない。手鏡があったとしても、見ながら切れない(笑)。あー、ここはどうしようもない。どうしょうか。とりあえず、良いアイディアが生まれるまで後ろ側はほっておくことにする。今はよいが、このままだと「田村正和」ようになってしまうので問題である。おそらくだが、勘で切るのかなぁ。良い方法がないものか。


 ちなみに、写真はロンドンのSOHO地区にある中華街で見つけた1000円カットの店である。店には中国人が行列していて大変流行っている。さすがに入ろうとは思わない。私は金はないが、衛生には人一倍うるさいのである。いいよなぁ、中国人は同胞がいたくさんいて、という気がする。日本人街というのはない。しいて言えばピカデリー広場周辺であろう。三越がある。ユニクロがある。無印良品がある。ジャパンセンターという日本食と日本の食品を扱っている店がある。そのくらいかな。ちなみに、ジャパンセンターには納豆やもやしまで売っており、店員は日本語で対応する。「いらっしゃいませ、お買い上げが5.5ポンドです」とかいう(笑)。