このアイディアはいただけない

vietatofumare2007-03-15


 ロンドンの交通渋滞は深刻だそうで渋滞緩和策がいろいろ試みられているが、コンジェスチョン・チャージというアイディアはいただけない。こんなものは東京で決して導入してほしくないだろう。なぜならば、要するにロンドンに入るならば料金を払えというものだから。税金の使い道として紀元前から重要視されている道路というものが「私物化」されているのである。政府によってだが。日本でこんなことをやったら、政治家と役人の天国になるだけ。彼らはどうせ「例外」規定で逃げるだろうし、高速道路のハイウェーカードのようにマネーロンダリングの方法としてつかうかのどちらかだろう。どっちにしろいいことはない。

 ある領域に車を乗り入れたら料金を払わなければいけない。料金所なしでどうやるのかといわれればCCTVを使うのである。イギリスには至るところにTVカメラが配置されてすべてが監視されている。それを使えばどの車が入ってきたのかを調べることができる。最近ロンドンにおいてこの料金を支払う領域が拡大した。そして、TVのニュースでは「道路に混乱はなくなりました」と放送していたが当たり前だ。アホか。だれが払いたいものか。仕方がないからだろ。この方法は渋滞緩和に有効だと主張するのならば、世の中の問題はあっさり解決するものばかりになる。年金だろうが医療費だろうが、ばか高にしてしまえば利用者は減るに決まっている。もっといえば、がんを防ぐ方法は若死にするに限る。そんなことを主張しているにすぎないではないか。

 何かを制約条件として解を求める。これが知恵のなせる技。制約条件を外せば大抵の問題は解けるのだ。一昔前に、首都高速の渋滞緩和策に「料金を2500円にすれば渋滞は皆無になる」と主張しているシンクタンクの人を見たことがあるが、このようなサル程度のアイディアではだめだからみんな悩んでいるのである。ロンドンも知恵がなくなってきた兆候である。そう見る人はいないものなのだろうか。