久々に芝居を観たのだが・・・


久々に見た芝居

 芝居を観た。DUOTONEというタイトルで、しずくまちなんとかいう劇団だった。家族のアルバイト仲間がでているということで見に来た。物珍しいという理由もある。

 荻窪にある小さな音楽教室の練習スペースを舞台と客席に分けての会場だった。1,2列目は座布団席のようで、体育座りにちかい姿勢を取らざるを得なく、少々太りぎみの身にはこたえるのだが仕方がない。エコノミー席であっても2時間程度ならばもつし、芝居が面白かったら気にならないだろう。何人くらい入ったのだろうか。一列に10人として6,7列あっただろうか。冷房が効いていた。すし詰め状態でも息苦しさは感じない。

 同じ劇団の別の芝居を観たことがある。ちょっと面白かった。だから今回来ているのだが。内容は短編10本から構成されていた。感想だが、ずばり脚本がビックリするくらいいけてなかった。一体、どうしたんだろう? 私は芝居については知らないし、そもそも数回しか見たことがない。ドラマも映画もほとんどみない。要するに、職業的にも興味的にも素人なのだが、それでもこの脚本はひどいと言ってみたくなる。役者さんのパフォーマンスには難を感じなかったので、彼らが悪いとは思わない。やはり脚本がわるい。つまらないのだ。もし今日の芝居の原作が短編集として刊行されている本であり、それを買って読んだとしたら、第二話あたりで腹が立ち、我慢しながら読んだとしても半分前で怒り、本を投げつけていただろう。意味がない、あるいは、構成も主張もおかしな話ばかりなのだ。

 そう思っているのは私だけなのだろうか。近くに座って観賞していた若い女性たち(というか、学生さん?)はなにやらアンケートに書き込みをしている。フリースペースにも書き込みが目立っていたので、熱心にコメントしているようである。ひょっとして、これが良かったと思っているのだろうか。「え、面白い話だった?」と聞きたいくらいである。演劇について私は知らないが、本についてはそれなりに読んだ事がある。だから、「お話」についてはいろいろ言ってもいいだろう。今日の話は全部0点だろう。普通の人ならそう思わないか?

 脚本は誰が書いているのか? そう思ってクレジットをみると、この劇団のリーダーのようだ。じゃぁ、文句はつけられん。なんども言うが、役者さんに問題があるわけではないので残念である。だって、直しようがないではないか。このような脚本が「いいもの」と思っている基準が劇団のベースにあるならば、それを気に入らないから変更しようとはならないし、そうするべきでもない。私が間違った客なのだ。世の中ひろいものである。

 役者さんに全く問題がないかといえば、そうでもない。上手なんだろうけど、セリフが「唄」に聞こえてしまうのだ。抑揚やらトーンなどは適切だから、それがあまりに「適切だから」なのかもしれないが、その場で生成された言葉に思えないのだ。「唄を歌っている」ようなのだ。曲が付いたら「オペラ」である。でも、それは演出家のOKがでているはずで、むしろ狙った効果なのかもしれない。そう思って、どんな人が演出したのかと確認したら、またもや脚本の人であった。この時点で笑ってしまった。だめだこりゃ。どうやら私はこの劇団のセンスとソリが合わないようだ。以前見た芝居は面白かったのになぁ