この本の切り口には驚いた

vietatofumare2006-10-13


 ここ数年の中国の状況については、主に大前さんの一連の著作を読んで知ったことがほとんどなのだが、この本の内容はそれらとは必ずとも矛盾はしないけど、目からうろという気分にさせてくれる新たな知識を教えてくれる。
”俺様国家”中国の大経済
なんだ、こりゃ。こんないい加減なもんだったのか。アホくさ。古代文明からつづいているからとかで少し謙虚に思っていたが、あまりにも「ぶっとびな」話なんで、むしろ急に自分の気負いがなくなったことを意識した。




 人としての好き嫌いと、それらの集団としての好き嫌いは「全く別」のものであることぐらい知っている。国としてのキャラクターが必ずしも一人一人の個人のキャラクターを反映しているわけではない。集団化するときの結合エネルギーみたいなものが、自然環境やそこで生き抜くための最適化された作法もって立ち上がってくると「性格」になる。それが、組織なり国なりの性格の正体だ。日本の現状、決して褒められたものではないが、その現状に対して「負い目」の成分をゼロして、「あつかましさ」の成分を何乗にもしたものが中国なんですかねぇ。


 いろいろ意見があろうかと思いますが、私が携わっている分野のおいては、なんだかんだ言ってもヨーロッパってすげぇなぁと思うし、アジアってしょうもねぇなぁと思うのです。日本でさえも、アジアっぽい。明治人のような脱亜入欧の感覚を私は持っていませんが、やぱり、ダメなものはダメという気がしてならないのです。それを端的に言葉にしてくれたのがこの本での中国の扱いかたですね。




 アジア圏で力を合わせて、なんて構想はやめた方がいい。そういうと「中世的な」マインドの持ち主のようですが、ある側面で評価したら未だに西洋の方が進んでいると判断するのならば、アジアでなんていうよりも西洋から学んだほうが得ですね。だてに地中海文明を背負っていないです、彼ら。彼らが日本人をひっくるめてアジア人という発想をするときの意味は「だめだなぁ、こいつら」という気分の表明なのですが、この本を読むと、「そう思うのはもっともだ」という気になります。人なんて、勉強しなければ2万年前の脳と体でしかないのだから、時代錯誤の国がでてきても仕方がない。先頭を走っているという分野もあるのだろうけど、私が携わっている分野は、決して先頭ではないのだから、勉強するしかない。